シニアの公式なシーズンが11月23日のアルジェリア大会で開幕しました。シニアの国際大会は私にとって約1年ぶりで、昨年とは違った視点で戦えたことに確かな進歩を感じます。
良い場面や今の自分に欠けている部分を知り、これから戦うフィールドでの現在地を知る大会になりました。「もっとこうなりたい」という理想を自分へのお土産にして帰国。次の海外遠征までに持ち帰ったお土産を紐解いています!
シーズン第1戦の大会の開催地はアルジェリア
いよいよシニアのシーズンが11月から始まりました!
第1戦はアルジェリアです。
去年までジュニア(U20)の国際大会をメインで戦っておりましたが、年齢的にジュニアを卒業し、今年からはオリンピックの舞台であるシニアのカテゴリーです。
昨年はシーズン中盤のシニア2大会を経験し、今年はシーズンの初戦から戦う機会をもらいました。
シーズン第1戦のワールドカップは日本から12人が出場し、日本人での最高順位は2位。チームメイトの活躍に私もチャンスはあると刺激を受けました。
シニアの主な国際大会と女子フルーレのシーズン
シニアの主な国際大会は主に次の種類に分かれます。
- オリンピック(4年に1回)
- 世界選手権
- 大陸選手権大会
- ワールドカップ (グランプリ大会・A大会)
- サテライト大会
これらの大会の順位ポイントで世界ランキングが決まります。
配点が多い順にオリンピック、世界選手権、大陸選手権、ワールドカップ、サテライト大会です。(サテライト大会はシーズン前にあり、ポイントの配点がワールドカップと比べて非常に少ない)
今年は11月から5月までがワールドカップ期間で、6月にアジア選手権(大陸選手権)、7月に世界選手権をする予定です。
ワールドカップは全8大会で、女子フルーレの開催場所はアルジェリア、ポーランド、フランス、イタリア、メキシコ、アメリカ、ドイツ、中国です。
ワールドカップは2種類あり、グランプリ大会とA大会があります。
この2種類は世界ランキングに反映されるポイントが違います。
(グランプリ大会は、A大会の1.5倍のポイントが世界ランキングに反映する)
グランプリ大会は3大会(イタリア・アメリカ・中国)で、A大会は5大会(アルジェリア・ポーランド・フランス・メキシコ・ドイツ)です。
ワールドカップを通して、大陸選手権や世界選手権の各国代表(4名)が決まり、世界選手権を最後にシーズンが終了します。
1年前とは違う結果と感覚で試合ができ収穫が多かった大会
結果は予選を3勝3敗で通過し、1回戦でポーランドの選手に14対12で敗れました。最終順位は155人中の101位です。
予選ではイタリア・ロシア・フランス・デンマーク・チリ・トルコの選手と戦いました。
昨年出場したシニアの大会は予選で1勝も出来なかったり、2勝しても予選落ちを味わった分もあり、今回は何としても予選を必ず通過する!の想いで戦いました。
予選の最初の2試合を連続で負け。
「このままではやばい」と不安がよぎりました。
しかし私のプレーをみたフランス人のヘッドコーチが「攻めるスピードが速いからゆっくり動いて」と指示をくれて、3試合目から白星を上げ始めました。
試合中にもヘッドコーチからの助言に気を付けながらプレーすることで、自己最多勝の3勝で予選を通過することができました。
トーナメント1回戦は守りが堅めのポーランドの選手との対戦です。
相手にリードを譲る試合展開で、後半の巻き返しを狙うも時間切れで14対12で負けました。1回戦を突破の扉が見えただけに悔しいです。
今回の試合は良い結果と言えず満足はしていませんが、私にとって自分の成長を感じる大会でした。
1年前は何が通用するのか、どう戦うべきかが曖昧で試合をしていましたが、今回は「こう戦ったから勝てた」「あの時はこれをすれば防げた」と考えれるようになりました。
富士山を0合目から見上げているのが1年前で、周りの光景をあちこち見渡しながら富士山を登っているのが今です。
今回の結果にヘッドコーチから「始めのワールドカップにしては悪くない結果だ」と言われ、試合中では褒めてもらう部分もありました。
私にとってシーズンの第1戦は、私の持ち味を含めてこれからどうするべきかを示す地図を持ち帰るものになりました。
私が「アルジェリアの大会に出場したい」と告げた時に「頑張ってきてね」と承諾し、遠征費を出してくれた両親に感謝しています。
この経験を生かすためにも次のワールドカップでは勝って上にいく!
山の頂に立ちたい!
コーチに指導されたことを徹底し、私が身を持って感じた課題を克服することで次回は1回戦、2回戦、3回戦といった扉を突破します。
尊敬する選手と再会した嬉しい出来事
アルジェリアの試合期間にとても嬉しい出来事がありました。
5月に千葉県で行った各国合同の合宿で、一緒に団体戦を組んだアメリカ人選手と話したことです。
アメリカ人選手の彼女はワールドカップでメダルを獲る実力の持ち主で、2018年の世界選手権の団体で優勝したメンバーのひとりです。
5月の合宿で2人組の団体戦をするとなり、彼女が私のペアになりました。
「足を引っぱったらどうしよう」と緊張している私に、彼女は「あなたがウメツ? 名前は?ハルカ、あなたとチームになれて嬉しい」と親しくしてくれました。
試合中にはアドバイスをくれて、上手くいった時には「ハルカいいね!」と声をかけ、チーム戦の雰囲気の作りのお手本になる人だと思いました。
私のヘッドコーチに「ハルカは素晴らしいチームメイトよ」と伝えてくれて、とても嬉しくなったのを今でも覚えています。
私の質問に丁寧に答えてくれる親切さと勝ちへの執着心が強いプレーに、私はペアを組んだあの日から彼女のファンになりました。
私の前のコーチが「彼女は人としても良い選手だよ」と言っていた意味がよく理解できます。
そんな彼女と再び話すことができたのです。
彼女に遭遇した瞬間「私を覚えてくれてるかな」と思いましたが、目が合うと彼女はすぐ「やあ、元気?」と私に声をかけ、ハグをしました。
彼女から話しかけてくれた嬉しさと名前を覚えてくれたことに驚いて、咄嗟に「私は元気!このアルジェリアの大会は初参加なの!」と言いました。
彼女は「ハルカとここで会えて嬉しい。試合はこれから?応援してるよ!」と言ってくれました。
彼女のフレンドリーさに私は益々ファンになりました。
また試合で対戦する日が来るのを楽しみにしています。
(その前に私が強くならないとw)
次の第2戦はポーランドで1月のワールドカップ
次は1月のワールドカップに出場します。
年が明けて間もない1月8日から29日までの長期遠征です。
1月11日から13日はポーランドで大会、14日から24日までフランスで合宿、そのまま25日と26日はフランスで大会です。
次の海外遠征までに、できることを最大限にやって少しでも実力を上げて臨みます!