フェンシングのフルーレの剣は曲がりやすく、消耗品で折れてしまいます。
私自身が初めて体験したレアな剣の曲がり方と、曲がった時に剣を直す注意点を紹介します。

フルーレ剣は意外と柔らかく、曲がり折れる

「フェンシングって突かれると痛いの?」
と質問されることがあります。

答えは「ほとんど痛くない」です。
これは私の経験になりますが、しっかりと防具を身に着けているため「突かれて痛すぎる」とはなりません。

しかし相手によって力が強かったり、突かれた場所が筋肉のない骨だったりすると痛いと思うことはあります。また突かれても試合に集中していて、気が付けばアザになっていることもあります。

突かれると100%痛くないとは言えませんが、ほぼ痛くないのは剣がしなったり曲がったりするからです。
フェンシングの剣は刀や竹刀のように硬いものではなく、突いたときに弧を描きます。
特にフルーレ種目の剣は曲がるだけでなく、しなります。

突いた時に剣が曲がって衝撃が和らぐため、突き刺さる痛みはありません。(真っすぐに正しい突き方をすれば)

またフェンシングの剣は使い続けると劣化するため、折れます。
剣が下や横といった変な角度で突いて曲がって折れたり、練習で使い続けて剣にヒビが入り、いきなりポキっと折れる時があります。

剣が折れるペースは練習頻度や力の強さで、人によって違います。
私は早くて1か月、遅くて3か月で折れてしまいます。

私史上初の剣の珍しい曲がり方

フェンシングの実践練習で後輩の男子選手と戦っている際に剣が90度に曲がりました。

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曲がった剣を持って構えてみました。
釣りをしている人みたいですね(笑)
剣は折れていないので使えますが、試合のルールでは剣が曲がり過ぎのため審判に注意されます。

私の攻撃に対して、相手がカウンターアタックをしてきたので急激に距離が近くなりました。私が突けば勝ちの状況だったので、「何としても突こう」と思い、「突いた!」と思って剣をみたら曲がっていました。
結果突けたので良かったのですが、こんな曲がり方は13年間フェンシングをしている私にとって初めてです。今までみた中にもこんな曲がった剣は見たことがありません。

私の剣をみたチームメイトも初めてだと言っていました。

普通ならこの突き方だと、剣が折れてしまうのですが、剣が柔らかすぎで折れなかったみたいです・・・。

曲がった剣の直し方と注意点

剣は曲がったら直せます。
直し方は剣の曲がりに合わせて、足で踏むかモンキーレンチを使います。

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これが私が使っているモンキーレンチです。
小さめなので持ち運びに便利です。
右側にある丸のところに剣を通して、てこの原理で直していきます。

注意点としては、ゆっくりと優しく直すことです。
いきなり力をいれるとパキンと折れてしまうので、剣の硬さを見て力を加減しながら慎重に直すのがコツです。

残念ながら今回の私の90度に曲がった剣は、曲がり過ぎて自分では直せなかったです。
モンキーレンチを使っても動かず、直すのを続けるといきなり折れた剣が飛んで怪我に繋がりそうなので諦めました。

フェンシングの剣を直す専門の人に「9割9分折れる」と言われ「もし戻せても曲がりの癖がついているから戻るよ」と言われたので、今まで共に戦ってきた剣にお礼を告げてお別れをしました。

折れた時は新しい剣を付け替える

剣は組み立てられているため、分解ができます。
剣が折れた場合は、新しい剣を付け替えれば復活です。
また、剣だけでなくガードや持ち手の部分など細かい部品も交換することができます。
人によっては、自分の手に合わせて持ち手を削るなどの工夫をしています。

また剣は消耗品のためいつ折れたり壊れるかがわからず、試合には何本か予備剣を持つ必要があります。
私は試合に4本の剣を揃えるようにしています。

9月24日に世田谷区大蔵第二運動場で「東京都シニア女子フルーレ個人選手権大会」が行われるので、今日は副都心線の雑司ヶ谷駅にある「東京フェンシング商会」に行き、剣を購入してきました。
ついに持ち剣が4本になり、道具の準備が完了です。
明日は自分の力を全て出し切って戦います!