小磯先生の「釣り合い」から観るスポーツの世界。釣り合いはスポーツだけでなく、武術や芸、介護など様々な分野に通じます。今回、私が釣り合いの講座に参加して、自分自身のフェンシングの課題に直結していると気がつきました。また、釣り合うために大切にする事やこれまで受けた講座で共通することなど、課題を克服するヒントも見つけた予感がします。

スポーツや武術、芸術や介護など全てに通ずる「釣り合い」

こんにちは!
もうすっかり秋ですね。

9月27日の日曜日に船堀タワーで行われたTCアカデミーさん主催の小磯先生の講座に参加してきました。今回のテーマは、小磯先生がオススメする「釣り合い」の第1弾でした。

「釣り合い」とは何ぞや。

始めは頭の中が「??」でしたが、講座で先生の説明を聞いたり、先生や参加者の方々と実際に体験をすることで、「これ?か!」となり、講座が終わった後は、釣り合いから見る世界に「お!!」となることもしばしばありました。

「釣り合いはスポーツ、武術、芸術、介護など全てに繋がる」と先生が言うほど、何でも誰にも当てはまるのが釣り合いです。

今回は釣り合いの第一弾で、「人と釣り合う」にフォーカスして学びました。

「人と釣り合う」がテーマ。少人数でみっちり体験

今回の講座の参加者は4名。
男性が1名と女性が3名です。

部活動の指導を行う小磯先生は、「いつもは大人数で時間がいっぱいだけど、今回は少人数だからじっくりできる」と仰っていました。

またまたラッキーな展開です☆

講座は1部と2部を合わせて約3時間。

始めは座学で釣り合いの6つの方向性を教わり、その後は杖やロープを使って釣り合いを体感しました。

このように、お互いの引き力で立ちしゃがみをするなど…。

お互いに身体を相手に預けながら行うことで、立ちしゃがみの動作がスムーズに行われます。不思議なことに、お互いの力が均等な時ほど心地よく、楽に立ちしゃがみができるのです。

それが、相手を信じることができず、自分の力で立とうとしたり、急いでやろうとしたりするとバランスが崩れてしまい、立ちしゃがみが難しくなります。

これは相手を思いやることも必要で、その人の身長や体重で出す力は変わります。
決して「誰に対してもこれくらいの力ならOK」という訳ではないのです。

実際に、講座の参加者で、背が高めの男性がいたのですが、その方とペアになった際は、私が少し力を加えないとペアの男性はバランスが崩れてしまいました。

人それぞれで感じるものや対応の感覚が変化する

講座では先生が、男子高校生のパターンと女子中学生のパターンを真似して実践をして頂きました。

それを体験した私は、男子高校生は力ですぐ立とうしている感覚で、女子中学生は力があまりなく、頼れない感じがしました。

先生が「これは女子中学生ね」といった際に、まだ何も動いていないのに、杖を持ち合っただけで頼れないような感覚が伝わってきます。

学生の指導をしている小磯先生が言うには、先生と生徒で組むとできますが、生徒同士は中々難しい時もあるようです。(なんか分かるような気がする…)

いかに相手の特徴を感じ取り、そこに対応するのが大切なのではないかと思います。

どちらかというと、私的には男子高校生のグイグイくるほうがそれに合わせて力を加えるだけなので得意に感じ、女子中学生のヤワッとした手ごたえの無いものが苦手です。

きっとこれはフェンシングにも当てはまっているのだろうなぁと思いながら講座を受けていました。私的には、ガツガツくる相手の方が戦いやすいと感じますが、あまり動かなかったり、手ごたえが掴みにくい相手は嫌だなぁと思ってしまいます。
相手に対して「こうかな?これは?」と探りながら、自分が相手と接する丁度良い塩梅を見つけることが大切だと感じました。

釣り合いとスポーツ。フェンシングに通ずるヒントを発見

自分の思うようなプレーをできる相手に対して、私はスポーツで使えわれる「相性がいい」と感じます。これは戦っている時の「心地よさ」にも共通していると思うのです。

卓球の選手がラリーをしているのを「釣り合いと一緒」というように、フェンシングでも剣を交えるやり取りや、相手が攻撃してきたのに対して足で逃げるといった距離のやり取りも「釣り合い」が関わってくると考えます

この講座でも、男女や体格の差に関わらず、様々な人と試し稽古をした際に、相手に応じて釣り合いを生むことができれば、自分のフェンシングや人間関係の幅も広がるのではないかと感じます。

自分の「心地よい」の幅を生み出す引き出しを増やすことで、きっとフェンシンシグで戦う引き出しも生まれてきます。

だからこそ、講座でやった女子中学生のような手ごたえの無い相手を心地よく感じるところを見つけるのが課題であり、それに対応するための手ごたえのない自分になるのも課題です。

相手との対話があってこその「釣り合い」

この講座の振り返りを自分でしていた時に、「何かに似ているなぁ~」とずっと思っており、ついに最近、ひらめくことができました。

それは以前、TCアカデミーさん主催の講座で受けた中西眞先生の「触れて、みる」です。

中西先生は介護の現場で、相手を立たせる際に「立つのをすっ飛ばさない。お互いが楽に立てるように触れてみる」と仰っていたことを思い出しました。

まさに、釣り合うためには「対話」が大事であると感じます。

今後の釣り合いからの応用や発展に期待

今回は「人と釣り合う」ということがテーマでしたが、釣り合いには道具や自分、人間関係や相手との間合いなど様々なものに応用が可能ということを知れました。

また、釣り合うだけでなく、釣り合いを知っているからこそ相手を崩せると学び、フェンシングに凄く活かせるだろうなと感じています。

フェンシングは、自分や剣、相手の剣や相手との間合い、足裏と地面の釣り合いや、お互いの気持ちの釣り合いも関わってくるのではないかと思います。

次回の小磯先生は、10月25日。
「物との釣り合い」がテーマです。

小磯先生から教わる「釣り合いから観る世界」がフェンシングにどう発展していくのかが楽しみであります。