チームに対する考えが変化した全日本フェンシング選手権大会での優勝経験。4月から新メンバーとなり後期の試合に向けてメンバーの役割と機能を試行し、チーム力の向上に努めています。

8月に東北フェンシング連盟が全日本選手権(団体戦)での優勝を表彰して頂きました。
写真の右は私で、左は同じ山形出身の法政大学の後輩です。

この大会は私にとってチームで戦うひとりとして一皮むけた試合。
大会で学んだことを実行させるために、試行錯誤しながら練習に取り組んでいます。

全日本選手権(団体戦)の優勝で東北フェンシング連盟に表彰をして頂きました

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平成30年度東北フェンシング連盟表彰を8月24日に行われた東北総合体育大会の開会式で行いました。

この表彰は東北出身またはゆかりのある選手が、平成29年度に国際大会への出場や全国大会で優勝した選手を対象にトロフィーを贈呈しています。今回は13名の選手と1つの高校が受賞をしました。

法政大学女子史上初の全日本選手権団体戦で優勝

今回は私の所属する法政大学が、平成29年の12月に行われた第70回全日本フェンシング選手権(団体戦)の優勝を表彰して頂きました。
この優勝は法政大学フェンシング部の女子史上初めての優勝です。

また山形県からは私を含めた3人が表彰を受けました。
ひとりは私と同じ法政大学に所属している1つ年下の後輩です。
小学生の頃から一緒にフェンシングをしており、全日本選手権や国体でも同じチームで共に戦っています。

もうひとりは第4回全国中学生フェンシング選手権大会エペの個人戦で優勝した男の子です。山形から全国大会で優勝する選手がいるのは私にとっても刺激になります。

また他の県でも、世界選手権に出場した選手やインターハイで優勝した選手がいました。
東北での競技レベルが上がっている証拠だと感じます。
これからも東北の中でも切磋琢磨していきたいです。

全日本選手権の団体戦を通して変化したチームに対する考え方

トーナメントを勝ち上がるにつれて、私はチームに対する考えが変化しました。

私は2年生になり、後輩がいることで責任感が増し「上級生の先輩はチームをまとめるプレッシャーがあり、1年生は初めてで緊張しているはずだから、去年も試合に出ていた私が何とかをしないと」と思っていました。しかし、「自分1人でやるには限界がある。もっとチームを頼ろう」と大会の試合を通して学びました。

今までの私はベンチを盛り上げようと「ファイト!」などの応援の掛け声を出していました。ベンチから声を出すことでチームに勢いが乗ると思ったからです。実力差があるチームには勝つことができますが、相手が手ごわいと苦しい試合展開になります。

点を取り合うシーソーゲームの試合展開。
試合が終盤で大きなミスが勝敗を左右する状況で、私の試合の出番が近づいてきました。
私はベンチから声を出すのをやめ、次に戦う相手のイメージを浮かべていました。自分の集中力を高めていたのです。

すると私の代わりにベンチに座っていた仲間が、声をさらに出してくれるようになりました。私はその時に「自分1人で何とかしようと思わず、みんなでこの困難な試合を乗り越えよう」とふと思いました。私は自分が頑張らないといけないと力み、空回りをしていたことに気づきました。

そして次第に、噛み合っているように見えて噛み合っていなかった私の心とチームに対する歯車が噛み合い、動き始めた気がしました。

私は「声だしは他の仲間に任せて、今は自分のプレーに全力を尽くそう」と意気込み、勝利を目指して共に戦う仲間の存在を感じながら試合をすることができました。

決勝戦の法政大学vs和歌山北高校のアンカー対決の試合では、法政大学からは私。和歌山北高校からは、その年の全日本選手権の個人戦で優勝をした選手が出ました。

法政大学のリードから始まるアンカー対決。相手は早い攻撃力があるので油断はできません。私は「どんな技でもいいから点を取る」という強い気持ちで、持ち前の足を使った粘りある試合展開をしました。

結果は45対30で法政大学が勝ち取りました。

優勝を決めた最後の1点は「これしかない!」と賭け、迷いなく技を実行しました。
それが的中し成功した時の嬉しさと、チームで初めて掴んだ優勝の喜びが一気に私の胸の中から込み上げてきました。

優勝を決めた直後に撮ってもらった写真でのチームの表情は、達成感に満ちた表情をしていました。

私はこの試合で、勝つチームとは1人だけが強いのではなく、1人が欠けてもチームが機能することだと気づかされました。それは「キャプテンがいないと戦えない」ではなく「キャプテンがいなくても自分たちでやってやろう」とする団結力です。

そのためにはチームで自分は何ができるのかといった役割を理解しなければいけません。
仲間の性格やプレーの特徴を知り、個々人が良いところを出しきれる環境を作ること。
これが上級生になった私に求められている課題だと思っています。色んなやり方を試し、探ることで確立していこうと思います。

10月から始まる団体戦に向けて上級生の私が取り組むこと

卒業生や新入生もいて、4月からは去年の全日本選手権とは少し違った新メンバーになりました。10月には関東学生フェンシング選手権、11月には全日本学生フェンシング選手権の団体戦があります。今年のメンバーは1年生から3年生が主力になっています。来年は私が最上級生です。チームの来年も見据えて、試合や練習を積み重ねていきたいです。

9月6日から11日には法政大学の夏合宿を千葉県で行います。合宿では後期の試合に向けて個人の能力を高めるだけでなく、チーム力も強化をして10月からの試合に入ります。

上級生になった私は、チームを雰囲気だけでなくプレーでも引っ張ります。去年の全日本選手権の団体戦で、上に立つ人は自分のことだけでなく仲間にも目を向けなければいけないと学びました。
苦しい状況でも個人ができることを把握し、全員が全力を尽くすことで困難を乗り越えられるチームになると思います。

「どんな状況でもチームが機能するように、すぐ、うまく、さばける力」を上級生の私が身に付けたいです。

そのためにはチーム全体を考えるだけでなく、私とチームメイトの1対1で向き合い、細部を気に掛ける必要があります。仲間と過ごす時間を大切にしていきたいです。

チームから信頼されるリーダーになるためには、フェンシングの技術だけでなく、上に立つ人間性も勉強していきます。