私にとって最後の全日本学生フェンシング選手権大会(インカレ)。1カ月前の関東学生選手権大会では思うようなプレーが出来ず自分を彷徨っていましたが、自分を見直し、考え方を変えることで自分を立て直すことができ、新しい自分を見つけることができた今回の大会。ここで見つけた自分の長所や短所を、12月の私が法政として出場する最後の団体戦で、更に新しい自分で勝負します。
(大会後の部員集合写真)
目次
学生最後の全日本学生選手権大会
11月11日~15日まで駒沢オリンピック公園総合運動場体育館で全日本学生フェンシング選手権大会(インカレ)が行われました。
11月11日はフルーレの個人戦で、13~14日は団体戦です。
この大会は大学4年生の私にとって最後の学生の選手権でした。
新しい自分が見えたインカレ
結果は個人が3位、団体が準優勝で、目標としていた「優勝」には、あと1歩のところで届きませんでした。しかし、私にとってこの大会は「新しい自分」に出会えた舞台であり、何より4年生という最上級生の立場として意識し続けていた団体戦で、このチームで2位になれたのがとても嬉しかったです。
(団体の表彰式後の写真)
失敗を材料に次のステップへ踏み込む
実はこの大会の約1カ月前に行われた関東学生フェンシング選手権大会(関カレ)では、個人が17位で、団体が6位と目標としていた結果とプレーが現実とかけ離れていました。
団体戦では、良い雰囲気でプレーをしていましたが、中盤に私が点数を取らないといけないところで取れず、むしろマイナスになってしまい、流れを崩してしまいました。
自分の情けなさやチームへの申し訳なさなどが込み上げ、「ここのままでは駄目だ」という危機感と悔しさから「今が変わるべき時なんだ!」と、気持ちを切り換えました。
最近は「試合に負けた絶望感」というよりは「早く自分を変えたい。次に取りかかろう」という考えが自然と浮かびます。「失敗なんて怖くない」と言っている人の気持ちが少しずつわかってきたような感覚です。
考えることに時間を投資する
関カレの後は練習のやり方を見直し、私には「考える力」が足りないことに気づきました。
練習の重点を「動き」から「考える」ことに視点をずらし、アドバイスされたことを自分が納得する言葉に置き換えてみたり、何か疑問に思った時、人にすぐ聞くのではなく、まずは自分で1つでも答えを出してみるといったことを心がけています。
また前回投稿した『あらゆる発想力を鍛えるために活用したい今すぐできる3つの言葉の習慣』の記事は、自分で言うのもアレですけど、結構役に立っており、問題や答えを見つけるヒントになっています(笑)
自分の思考の癖を知り修正する
そしてある日、私は「自分の思考の癖」を知りました。
コーチとレッスン(1対1の練習)をしている時に、「これを相手に仕掛けて駄目だったらどうするんですか?」とコーチに聞き、「その考え方やめたほうがいいよ」と言われ、自分が「何てバカな質問をしてしまったのだろう」とはっとしました。
「できないかも」から「できるかも」
私は上手くいかない時に「もしこれがダメだったら~」と考える傾向にあると気づきました。
「ダメかもしれない」と「できるかもしれない」の確率は同じで、だったら「できるかもしれない」と考えたほうがいいと今年の4月、ユニバーシアードの予選で知ったはずなのに、私は無意識に真逆の選択をしていました。
そりゃ上手くいかないわけです。「できないかもしれない」と1ミリでも考えた時点で、「できるもの」も「できないもの」へと一瞬で変わってしまうのですから。
思考は実現するとしみじみ思い、それから私は「できない」といった「ないない思考」と距離を置きました。
自分だけは変えることができる
今回のインカレの試合では「良い終わり(結果)をイメージし、それを再現するために何のすべきか?」と自分に問いを投げかけ続けました。すると自分のするべき事が見えてきて、すぐ行動へ移しやすくなると感じました。
また「どんな悪い状況でも自分は戦う」と決め、予想外のことが起きても動揺しない準備をしました。私は予想外のことや自分では変えることができない出来事と遭遇すると、心のどこかで人のせいにしてしまう自分が出てきてしまうので、それを防ぐために「自分では変えられない・コントロールできないもの」があっても、「自分だけは変わることができる」と思うようにしています。
思考の切り換えが良い方向へ導く
関カレでの失敗経験のお陰で自分を見直すことができ、考えることに時間を投資することや自分だけは変えられるという意識が今回のインカレで良い方向へ導いてくれました。
インカレの団体戦、準決勝での出来事です。
対戦チームはカンカレで敗れた日本大学。
40対36で負けている状態でアンカーの私へ引き継がれ、4点差を追う展開で最終セットがスタートしました。対戦相手はカンカレの時に私が大きな失点をしてしまった選手です。
私は点数を追うのは得意ではなく良い印象を持っている相手ではありませんでしたが、この最終セットに入る前は「追いつけなかったらどうしよう」という考えは1つもなく、「これは私の出番だな」「試合のチャンスを探して見つけて仕掛けていこう」と思い、試合が楽しみでしかたがなかったです。
試合中は「次はこれをする」と先読みをしながら「相手に点数を取らせずに自分が1点を取る」ということだけを考え、気づけば40対45で勝っていました。
私の記憶の中では自分が団体戦で逆転勝利をしたのが初めてで、ましてや9点連続ポイントをしているだなんて自分でもびっくりです。
まさに「夢しか実現しない」と身を持って感じました。
最後まで勝負がわからなかった決勝戦
そして決勝戦。
対戦チームは日本女子体育大学。
前半は法政がリードし、中盤に追いつかれ最終セットは35対31で負けている状態で始まりました。
ここでも4点の点差があるところからのスタート。
私は5点連取し、35対36とリードしました。
しかしそこからお互いが取って取られてのシーソーゲームとなり、38対38から1点リードを許してしまった39対38.残り時間は39秒。
私は少しずつ迫りつつあるタイムリミットと負けている状態に耐え切れず、気持が先走った攻撃を仕掛け、40対38と傷口を広げてしまいました。
それを取り返そうと試みますが、なかなか点数に繋がらず、残り20秒,10秒,7秒…と刻々と試合終了の合図が近づいてきます。
私が果敢に攻撃を仕掛けますがが、それを相手に先読みされ、また傷が深くなってしまう。それが続いてしまい、ついにタイムアップ。
44対38で敗れ、私たちは2位となりました。
良いところは今後の当たり前に
相手からリードを奪った時にそのまま突き放すことが出来なかった自分の戦略の甘さ、個人でも団体戦でも共通する「点数がほしい時」に気持ちが先走り、思うがままに動いてしまう。そこで思いついたまま行動するのではなく、自分のできることとその状況で何ができるかを判断し、それをトライすれば結果も変わっていたのにな~と反省します。
これはインカレで見えた次の課題で、今回の良い所は今後の当たり前にしていきます。
4年間の大学フェンシングに感謝
学生の試合はこのインカレで最後。
この4年間の大学フェンシングを振り返ると、様々なことがありました。
私が1年生の時、「こんな4年生になりたいな」と思ったのがこのインカレです。
実際に4年生をしてみると、私の憧れの先輩は本当にすごかったと今でも思います。
自分の学年が上がるにつれて増えていく後輩には、私に「教える」「周りを見る」ということを教えてくれました。中学・高校は同い年はいましたが、後輩は大学で初めてでき、最初は「教える」ということに躊躇する自分がいましたが、「教えることは自分も教わること」なんだと知ることができました。
そして1年生からずっと一緒にいる同期。
辛いことや理不尽なことも同期といると笑い話に変わり、ふざけた話が多いけど時には真面目な話もして、一緒にいて救われたことが沢山あります。
先輩や同期、後輩に試合では観客席から「頑張れ!」と応援してもらい、試合後にはハイタッチをし合う。この4年間は多くの人々に支えて頂きました。
(同期集合写真)
私が思う最上級生としての最後の使命
最後は12月の全日本選手権大会の団体戦。
この大会が私が法政として出場する最後の試合です。
ラストは勝つことも勿論ですが、残る後輩たちが自信を持って来年の新チームに臨めるようにアシストしたいと思います。
これが私のキャプテンとしての最後の使命です。
私もこの「使命」という「成長の機会」に、思う存分学ばせて頂きます!
(最後は男女フルーレ集合写真で)