年内最後のフェンシング日本代表合宿に参加をしてきました。場所はフェンシングのまちである静岡県の沼津市です。前回の合宿の反省を生かし、さらに自分のフェンシングを「深めた」合宿となりました。そしてステップアップで見えた新たな課題。今回の記事はフルーレ種目の説明も少しお話しているので、面白い内容になっていると思います。

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自分のフェンシングを「深めた」沼津合宿

12月3日~11日まで静岡県沼津市で行われた全日本代表合宿に参加してきました。
今回の合宿は、主に午前中がフィジカルトレーニングとレッスン、午後が実践のフェンシングに取り組む日々でした。実践フェンシングでは、条件付きの課題フェンシングが多く、「私を含め、みんなそれぞれ新しいことを試しているなぁ」と感じた合宿でした。

前回の和歌山合宿では「もがいた」と振り返る合宿でしたが、今回の沼津合宿では「深めた」と思える合宿になりました。この「深めた」は沼津合宿の期間だけを言っているのではなく、和歌山合宿での出来事やその後の練習を経て感じたものです。

今回の合宿では、前回にはなかった「今のプレーは良い」と思える瞬間がありました。特に攻撃で。相手を見る目線と自分のタイミングを変えることで、攻撃(アタック)で点数を取る回数が増えました。

前回の反省から学び取り、出来ることが増えたことは、素直に嬉しいです。

次の課題は「誰がみても自分」だと思うプレーをすること

今回の沼津合宿では、また新たな課題に気づかされました。
それは、「誰がみても、自分だと思ってもらえるようなプレーをする」ことです。

フルーレ独特の「攻撃権」というルール

私の種目であるフルーレには、「攻撃権」(または優先権)という縛りがあります。
片方の選手だけが有効面を突いた際には、突いた選手に得点が入りますが、両選手が突いた場合には「攻撃権」を持つ選手にしか点数が入らないのです。

攻撃権は、先に攻撃を仕掛けた選手が持つことができ、攻撃権を持っていない選手は、相手の攻撃が終わるまで待つか、相手の剣を叩くことで攻撃権を奪うことができます。

「攻撃権がどういうもの分かったけど、実際に試合をみると全く分からない」という方もいると思います。

大丈夫です。フェンシングをしている私達でも分からない事があります(笑)

選手がよくするフェンシング会話

試合中には「今のはなぜ私の得点じゃないの?」と審判に抗議したり、審判自身も判定を間違えたり、ビデオ判定で判定が覆されることもあるのです。

練習では、審判を付けないで選手同士で点数をカウントして行うことがあり、ほとんどはお互いが納得してプレーをしていますが、時にはお互いが「今の私の勝ちでしょ!」と言い話し合ったり、「今のわからないね」と引き分けになる場合があります。

攻撃権の話合いでは、よくこんな会話をします。

  • どっちが先に仕掛けた
  • 剣を叩いたか叩かれてない
  • 今のはここで一瞬止まったから攻撃権が切れた
  • 体勢が悪いから攻撃に見えない

などなど。

練習中では、負けたと思った選手は「参った」と人差し指を立てて相手に伝えることもありますが、お互いが勝ったと思った時には、周囲でプレーを見ていた人に「今のどっちだった?」と聞くこともあります。

私はこのような場面で不利になることが多いのです。

有利なところで戦う頭と勝負勘を

特に、相手の剣を叩いて攻撃権を奪うシーンでは、「私は叩いたけど、その叩き方が小さかったり速かったりで、見ている人には見えない」ということもあるのです。

また、「見ている人によれば、私が勝ったと判定するが、多数の人は相手が勝ったと判定する」というパターンもあります。

そして私のもっとも良くない癖は、どっちが勝ちなのか微妙な際どい場面で勝負をし続けることです。「今の私でしょ」や「何で審判は自分を勝ちだと思ってくれないのだろう」と思うのではなく、「誰が見ても私の得点」と思うプレーをしたほうがいいと思うようになりました。

「誰が見ても私だ」と思わせるプレーをするためには、今まで以上に相手の隙をみる、仕向ける、対処するなどの技術が必要になります。

また、審判の判断の特徴をみて臨機応変に対応する力も大切になり、もっとフェンシングについて勉強しなきゃと感じます。きっと、この考え方や勝負勘を身に着けることで、確実に勝てるプレーに繋がるはずです。

年内の練習は残りわずか。悔いなく取り組む!

今年の合宿は沼津合宿で最後。

沼津市は「フェンシングのまちNUMAZU」のプロジェクトをしており、手厚いサポートをして頂きました。私は2回目の沼津でしたが、サポートの方に「梅津さん」と名前を頂けて嬉しかったです。そして、地元の方々からのメッセージや沼津でフェンシングをしている子供たちからプレゼントも頂きました!!ありがとうございます。

また、私が所属する安全自動車株式会社には沼津に工場があるため、何かのご縁を感じてしまいます。

2020年は、置かれた状況に対して自ら学ぶことができた1年。
まだ今年の練習は残っているので、今の状態からまた深めて来年に繋ぎたいと思います。

(部屋から見えた富士山の夕焼け)