「練習は本番のように、本番は練習のように」と聞きますが、本番で練習通りを出すには練習と本番の違いを認識しなければいけません。フェンシングの試合で気づいた「練習と本番の違い」を結果報告を含めてお伝えします。

東京都シニアフェンシング選手権大会

5月19日(日)に世田谷区大蔵第二運動場で東京都シニアフェンシング選手権大会が行われました。
この大会は国内ランキングに反映する試合の1つです。結果は全勝で予選を勝ち上がり、10本勝負のトーナメント1回戦で10対9の逆転を許して負けました。

今ままでの練習や試合でも「最後の1本がなかなか取れてなかった」と感じ、今回の負けで「自分は何を思い、どう動いていたのか」を見つめ直すことで、自分に欠けていたものや、過去の失敗で気づけていなかったことを理解することができました。

「練習」と「試合」の違い

試合展開は私がマッチポイントを取った9対5から、相手に追い上げられました。

9点目を取った私に、怪我などの身体の異変もありません。

今回のコンディションは悪くなく、空いている時間があれば身体をほぐし、前回のユニバーシアードの反省点である「1度のウォーミングアップで安心しない」を学習して取り入れていました。

マッチポイントを取った私は、最近の練習で取り組んでいる技をしました。
1度失敗をした時点でその技で狙うのを止めるべきでしたが、「もう少しで出来そう」と思うことで私の視野はどんどん狭くなり、その技ばかりにこだわっていました。

すると4点あった点差が9対8へ縮まり、取られる流れを断ち切ることができず、その逆転の勢いに押されて敗れました。

「リードからどこで崩れたのだろう」と遡ると、「点数を取る」プレーから「練習で取り組んでいる技で取る」と考え、歯車が狂い始めました。

「練習で取り組んでいる」と思う時点で身体に染みついておらず、まだ「自分の持ち技」になっていません。

試合は相手より多く点数を取れば勝利です。

どんなに華麗な技をしても1点は1点で、相手のミスで点数を取っても同じ1点なのにも関わらず、私は「自分のしたい技」に走り、最後の1点を得ることはできなかったです。

私は「練習でやること」と「試合でやること」の認識が間違っていました。

練習は理想を求め、本番はミスをしない

「練習は本番のように。本番は練習のように」という言葉がありますが、練習で出来たから本番でも練習と同じような確率で出来るとは限りません。

普段の練習場所や相手、周りの雰囲気など周りを取り巻く環境に、少しは必ず違いがあります。

練習で50回できたことを、試合でも50回達成させるには、50回以上連続で成功させる実力を身に着けなければいけません。

だからこそ試合で使える「完成度の高い技」に仕上げるまで練習し、本番の試合では「相手を見て自分の手札で戦う」

トランプで例えると、強いカードで多くの枚数を持ってる状態で戦いたいです。

「ここだ!」と思う時に自分を信じて迷わず突きに行くためにも、試合で出せるほどの練習が必要であり、自分のどの技に自信があるのかを知らなければいけません。

今後の練習は「理想を求める練習」と「ミスをしない試合」をしていきます。

「理想」とは技だけでなく、戦略やメンタルなど様々な要素の絡み合わせです。

まずは1つずつ「今日は試合を想定してミスをしない」や「こんな戦い方をしてみる」といった明確なテーマを持って取り組んでいきます。

まだまだ実力として染みついていないと実感した今回の大会。
本番に備えた練習がどれほど大切かを改めて知り、練習の取り組み方を見直す機会となりました。

また今まで落としていた試合も「練習と試合」の認識の違いであったものもあると感じます。

今年の全日本選手権の決勝日(11月2日)や場所(新渋谷公会堂)が発表されたので、今年こそは決勝の舞台に立ち勝利の喜びを手に入れるために、濃い日々にしていきます!