TCアカデミー主催である中西眞先生の「触れて、みる」の講座。自分や人、物事の過程を大事に扱っていきます。私達は日々、あらゆる物事に触れていますが、「触れる」ということに立ち止まって考えたことはありますか?今回の講座では、改めて「触れる」ことを再確認し、身体の繋がりや触れることへの面白さを体感してきました。

好奇心と能動性を持って「触れて、みる」

「触れてみる」は、日常生活で意識をしなくても当たり前に行っていること。

しかし、「触れて、みる」は、

今までしたことがありませんでした。

もしかしたら、生まれて3カ月でしていたことを、私は忘れていたのかもしれない。

能動性と好奇心を持って触れることで、どんな発見があり、心身の変化があるのか。

その面白さに気づかせて頂きました。

中西先生の初講座。
「触れて、みる」

この壮大なテーマをもっと知りたく思います。

触れ方で違う感覚や行動の味わい

8月23日、TCアカデミーさんでの中西眞先生の講座に参加してきました。

講座は、中西先生の自己紹介から始まり、触れることで変化する身体の変化を体験。
私達が初めて「触れる」を覚えた生後3か月の赤ちゃんに立ち戻り、もう一度自分自身の手を再発見し、身体の筋膜に触れてみることで自分の身体の様子を観察しました。

そして最後には、高橋先生、中西先生、辻先生のトークショー!!
施術をする側としてもらう側の差を認識することが出来ました。

今回、私が印象に残ったことは「触れ方」です。

介護の現場に携わったことがある中西先生の経験から、人を立たせる時に、介護する側は立つ間の過程をすっ飛ばさないことが大切であると教えて頂きました。

「立つ」という思い描いたところだけを目指そうとすると、そこを目指す好奇心をすっ飛ばしがちになってしまう。

「こうなってほしい」と思うのではなく、「今、どうなっているのだろう」と寄り添うことが、お互いが楽に立てる方法となります。

私もそれに納得できることがあります。

趣味でやっている書道では、字の形のバランスばかりを気にしてしまうと、形が良くても線の質や太さの強弱が失われ、字に魅力がなくなってしまたり、

フェンシングでは、剣を道具化してしまい、自分の身体の一部として思うように動かせなくなってしまいます。

繊細に触れることで、繊細な動作が生まれる。
触れる対象がモノであれ、ヒトであれ、自分であれ、共通していると感じました。

「触れる」面白さを赤ちゃんから学ぶ

今回の講座では、「私達が手を発見したあの頃に戻ろう!」ということで、私達が生まれて3か月でやってきた「手を発見した瞬間」に立ち戻りました。


(写真は「手を発見した瞬間に立ち戻る」)

写真のように仰向けになり、視界に手が現れた時が「初めて自分の手を知った瞬間」になっております。赤ちゃんはそこから「触れる」ことを始めます。

赤ちゃんが、ありとあらゆるものを触るのは「能動性と好奇心」があるからです。

とことん、「これはどうなっているのだろう?」と探求していきます。

確かに、私の幼少期を振り返ると、足の指を触って遊んだことがあると思い出しました(笑)

それがいつの間にか「触れる」ことが当たり前や義務になり、感じ取れる情報をスルーして、目的だけ囚われていることに気づかされました。

講座では「触れる」が繊細になる手の指の面を合わせて身体を観察。

すると、身体の繋がりが生まれ、腕が温かくなる感覚や、指を合わせている面から自身の心拍も感じ取れます。

「触れるってこんなに情報があるんだ!」と感じ、今まで凝り固まって覚えていた身体を赤ちゃんに立ち戻ることで治してくれました。

筋膜に触れて身体に気づき、炎症も薄まる

講座では実際に自分の太ももに手をあてて、筋膜に触れてみました。
筋膜は身体の全身と繋がっており、身体のどこかに触れることで身体の痛い部分が緩和していきます。

講習を参加して約2週間が経ちましたが、朝起きた時や練習の前後に身体を触り続けていると、日によって差があったり、筋膜の引っ張られ具合で自分が疲れている箇所を気づかせてくれるものになっています。

先生には、「触れることは自分がやってきたことを知る1つの情報であり、良くしようと思わなくても差が薄まって良くなっていく。こうなりたいと願いを持たず、自分を大切に扱っていくことが大事」と教えて頂きました。

触れ方で自分への思いやりが変わっていきます。

治療の受け方が変化する。先生と患者の知識と認知差を実感

最後の3人の先生方のトークショーでは、施術をする側と受ける側の知識差を学びました。

例えば鍼灸では、患者側は針を沢山やってもらうことが治ると思いがちですが、実際には針を何本も打てば良いわけでなく、意外と針をするほど悪くない人がいるということ。

施術を受ける側はあれこれ手を加えてもらうことで身体に良い事をしていると思ってしまいますが、それは身体を先生に預けがちであり、自立した身体にはなれないと知りました。


(写真は先生方のトークショー)

そして質問コーナーで、私は「先生に身体を見てもらう際に、どういう状態や気持ちになって行くのがベストなタイミングか?」と質問をさせて頂きました。

頂いた答えは、

  • お腹がすいたら治療に行く
  • 月に1回で(頻度は多くなくていいから)自分を深めていく
  • 調子が良すぎる時には先生に連絡

ご飯を食べるように「食べたいな」という時が必要としている時で、施術をしなくても会話をするだけで治療になるとのこと。

また、調子が良すぎる時は、何かを見落としていることがあるので気にかけてみることが大切であるということ。

私は調子が良すぎて動きまわっていると、いきなり疲労感がドッとやってくるので、注意しなければいけないとしみじみ思いました(..)

次回の中西先生の講座は10月

「触れて、みる」を感じた今回の講座。

今回は「触れる」ことが中心でしたが、中西先生いはく、「みる」にも多くの意味があるとのことです。

自分の身体だけではなく、相手やモノに対しても関りがあると感じます。

次回の先生の講座は10月。
また次回が楽しみです!