3人の先生の講座に参加して大事にしたいと思った3つの手がかり。これらは身体をみるだけなく物事の考え方や日常生活での気づきを与えてくれます。講座に参加してみた感想、そして受講してしばらく経ったからこそ思えることも含めて書きました。


全体性・関係性・定点観測がキーワード

帰国後の自宅待機も本日(4月12日)で終わりを告げます。

本日はずっと書こうと思って(大事に)温めていた、2月のTCアカデミーさんの講座感想を書き留めたいと思います。

今回も山形・神戸・京都から来て下さった先生お三方の講座を受講しまいた。

  • 『身体は語る』(高橋透先生・山形「城南治療室」院長)
  • 「触れて、みる」(中西眞先生・神戸「整体だるま堂」院長)
  • 「とりあえず身体に訊いてみよ」(辻敦史先生・京都「つじ鍼灸院」院長)

今回も、透先生の面白さと本質を捉えたあいがけカレー的な講座から始まり、そこから中西先生と辻先生のそれぞれの視点や言葉がプラスされ、さらに理解度が増したコクある講座になりました◎

講座を振り返ると、3人の先生が共通して仰っていたのは「全体性・関係性・定点観測」だと感じました。

(※講座は2月20日と21日に開催されました)

全体性をみて局所をみる

高橋透先生の『身体は語る』では、身体に違和感がある際にその局所だけをみるのではなく、身体の全体性をみたうえで局所をみる大切さを教わりました。

また、身体のことだけでなく、物事の捉え方でも「転んでもただで起きるな」ということで、何故こうなったかを自分で問いを立てながら振り返ることで、何でも足しになる。だから、やってみること。

物事は螺旋のように進んでいき、必ず1つひとつのことに関係性があると学びました。

たしかに自分の身体もフェンシングも怪我や失敗することで理解が深まっているのだと感じます。物事への向き合い方は大事です。

今回はストレッチやウォーミングアップ・クールダウンについて、免疫や身体の動き方についてなど様々な分野が話題になりました。

身の幅に触れ、感覚への興味が広がる

中西眞先生の講座「触れて、みる」では、自分の「身の幅」に触れてみました。
今回の中西先生の講座で1番興味深く感じたのが「感覚は肉体より離れたところに置く」ということ。

この写真のように2人組で手を合わせた時に、手で感覚を受け止めるのではなく感覚を手の平から手首、手首から肩甲骨へと自分の筋肉を通して移り変えることで、相手に力が伝わることを体感しました。

最初なかなか出来なかったのですが、手首を点ではなく面でとらえること、前に出ようとしつつ後ろを気にするくらいが丁度良いと感じることができました。

そして身体をみる時に気をつけたいのは「感覚と記憶をわける」こと。
感覚は記憶と混じりやすい複雑さがあるからこそ、現象と感覚を離して判断する必要性があると知りました。

一人で感覚に頼るとイメージで作り上げてしまいがちですが、ペアでやると自分が出来ているのかどうかが現象として判断できます。

そして出来た時に感じる「別にたいした事してないのに」というふわっとさ。

「意識」と「感覚」が違うのは何となくわかるけど、使い分けが難しい。。
フェンシングでも役立つと思います。

まず今回は感覚を肉体で意識すると感違いになることが自分の中で分かったので一歩前進です。

靴やズボンの脱ぎ方・はき方で身体に差がでる

辻先生の講座では日常動作の靴やズボンの脱ぎ方・はき方で身体がどう影響していくのかを学びました。

始めに「いつも通りやってみてください」とズボンを服の上からはくことになり、「私は出来ているはず」と思っていましたが、そんな事はありませんでした(笑)

辻先生がよく仰っている、股関節―膝―足首の「構造なり」に沿って身体を使うと、この脱ぎ・はきの違いで身体の可動域に差が出るのを実感しました。

改めて「構造なり」で自分を見ると、私はズボンをはく時に膝を外に逃がす癖が。。
一緒に受講している方を観察すると皆さん、何かしらの癖が…ありました(笑)

正しい立ちしゃがみが身体を整えることを学んできましたが、「立ちしゃがみは昔の人ならともかく、現代はなかなか日常にないよね~。和式トイレもないし」と思っていたところにちょうど答えがありました。

立ちしゃがみのチャンスに気づけていなかったのは私でした。

1日に必ずしている靴やズボンの脱ぎ・はき。

靴を履くときは靴に足を突っ込むのではなく、足に靴を履かせる。靴紐を結び直す時には毎度かがんで結ぶ。面倒くさがらない。この丁寧な動作が透先生の講座でも出てきた「自分を知る定点観測」にもなると実感です。

何かをわざわざしなくても、日常生活だけで身体は整ってくる。
辻先生は地味なところに目をつけますが、地味だからこそ場所や時間を気にせず取り組むことができる。そして、やったことは自分にちゃんと返ってくると思いました。

(この講座の後に辻先生や中西先生の靴の履き方をみると毎回ちゃんとしており、さすが先生方だと思いました)

自分で取捨選択できる身体へ

2月の講習会も楽しみながら学ぶことができました。
先生だけでなく受講者の方々と一緒に学べる環境で居心地が良いです。

受講メモを見返していると、先生の言葉なのか自分で思いついた言葉なのか覚えていませんが、印象に残ることが書いてありました。

「先生たちはエキストラ」

自分の身体だからこそ、「良くなってほしい」と人に望むのではなく、自分で自分に必要なものを取捨選択できるようになる。自分で気づけないことを知るそのために、透先生・中西先生・辻先生がいることは忘れてはいけないと思いました。

次回のこの講座は4月17日と18日。
残念ながら私は合宿で参加できませんが、自分の理解や聞きたいことなどを温めておきます!