「楽しむ」気持ちが変化を生み出し、自然と自分の力が湧いてくる。そう感じた今回のワールドカップでした。まだまだ世界との差はありますが、初めて自分の実力を発揮できたからこそ一歩前進し、また新たな課題を持ち帰ってきました。
目次
ドイツ合宿とポーランドW杯からの帰国
先日、ドイツ合宿&ポーランドでのワールドカップから帰国しました。
バドミントンの桃田選手がマレーシアから帰国する前日です。
私も同じ成田空港着の帰国でした。
帰国したと家族に伝えると、母は「桃田選手が海外遠征で事故にあったから無事に帰ってきてよかった!」と言ってくれました。
今はどこで何が起こるかはわかりませんし、国内でも海外でも自分の身を守るためにできることはしなきゃいけないとニュースで感じました。
ここが試合会場
自然体で戦えた今年初のワールドカップ
1月4日に日本を出発し、5~8日までドイツで合宿。
9日にポーランドへ移動し、10~11日はワールドカップの個人戦、12日は団体戦が行われました。
年明けで私にとっては2019-2020年のシーズン初のワールドカップ。
(2019年の11月からシーズンが始まり2大会が経過、今回の3大会目にチャンスを頂きました!!)
昨年は予選のグループ戦が2勝4敗でトーナメントへ行けず惨敗。
6試合あるグループ戦の1発目が黒星スタートで、気持ちが切り替えれず、ずるずると引きずり不完全燃焼な大会を経験しました。
今回は予選のグループ戦を5勝1敗で終え、予選トーナメント1回戦をシード選手のため免除、予選トーナメント2回戦へ進出しました。
予選のグループ戦は5本勝負で、1試合目にロシアの選手に5-0で負けてしまい、「昨年のようになるのではないか」と一瞬思いましたが、そうならないためにも、今の自分が世界へ挑戦するチャンスを頂いたことへの「感謝」と、昨年の経験から1年間やってきた自分が「フェンシングを楽もう」と自分に呼びかけ、等身大の自分で試合をすることができました。
「楽しむ」気持ちがパフォーマンスに影響
シニアカテゴリーで予選のグループ戦を5勝したのは初めてで、世界ランキング29位(1月19日現在)のアメリカの選手に5-2で勝てたのは嬉しかったです。この選手との試合は「楽しもう!!」と1番強く思っていました。
初戦を5-0で負けた時に、背水の陣の気持ちになり、そこで「楽しむ」と思えたのが良かったのかもしれないです。私にとって「楽しむ」は自分を力ませない1つのキーワードではないかと思えました。
やっと立てたスタートライン
予選トーナメント2回戦ではアメリカの選手に15対6で敗れ、今回の大会は195人中71位という結果になりました。
大会を振り返ると、「やっっとスタートラインに立てた!!」という思いです。
昨年は初めて本格的にシニアのカテゴリーになり、ジュニアとは違ったレベルや雰囲気に圧倒され、自分の力が出せず、現状を突破するための「自分を知り・感じ・コントロールする」手段を持っていませんでした。1年間を経て、ほんの少しだけ自分と向き合えてポーランドに戻ってきました。
次の課題は状況認識と判断能力
「自分がどうか」と思えるようになった次は、「相手はどうか」です。
私がトーナメント2回戦で敗れた選手との試合を振り返ると、相手は攻撃のスピードの速さなど、私にはないものを持っていましたが、「やり方によっては勝てたのかもしれない」と感じました。
そして気づいたのが、最近の自分の負けは「やり方次第でできたのに」というパターンがあるということです。
フェンシングはいくら技術を持っていても対人競技なので、相手の状況やタイミングをみて戦い、時には賭けにでることも必要です。
相手がどんなタイプかを認識して、どう戦うかを判断することが今後の課題となります。
まずは自分の思考や考えの癖を知る
その課題を克服するためにも、まずは自分が試合で何を考えている時は自分の技が決まり、逆に何を考えている時は上手くできないのかを理解します。
きっと無自覚でしている小さな動作が問題点となっていると思うので、まずは自分の思考や動きの癖にどのような問題点があるのかを確認し、「いま自分が育みたいこと」を整理した上で練習に日々取り組んでいきます。
団体では女子フルーレが東京五輪の出場権を獲得
そして今回の団体戦の結果で、女子フルーレはアジア・オセアニア地域の最上位が確定し、自力での東京五輪の出場権を獲得しました。
フェンシング全6種目の中で団体出場権を獲得したのは初めてです。
代表選手は残りの大会を含めて個人成績などで決まります。
東京五輪に選ばれるには「結果×プレー」が必要不可欠です。
頂上を見ながら目の前の1歩を確実に進む
わたしの現状はシニアのワールドカップに出場するレベルで、世界ランキングは254位(1月19日現在)
日本人選手で私よりランキングが高い人は多くいます。
東京五輪に繋がる道はかすかにありますが、そこに辿り着くためには、大きい階段や小さい階段が積み重なっています。
大きい結果を得るためにも、結果を急いでその場しのぎのような技術や駆け引きばかりを行い、本質的な部分を疎かにしないためにも、目の前のことをかみ砕いて取り組みます。
また東京五輪前のワールドカップに出場することは、私の大きな目標であるパリ五輪の出場権を獲得するためのヒントにもなるので、トップ選手にはどんな特徴や共通点があるのかを自分の目で見て、考え、今後に生かします。
私が出場する次の国際大会の場所は2月のロシア。
もっと成長した姿で戦えるように、昨日と違った気づきを今日も探してきます!