「主題歌を決める読書会」は事前にテーマ本を読み、主題歌を決めて参加します。
そしてお互いが選んだ曲を紹介し選曲理由や本の感想を共有して、読書仲間との交流を行います。

今回のテーマ本は芥川賞を受賞した村田紗耶香さんの『コンビニ人間』でした。

コンビニバイト歴18年で彼氏なしの36歳の女性が主人公の物語です。
ある日、主人公のバイト先に入った婚活目的の男性が影響で、主人公の日常に変化が起こります。
第155回芥川賞受賞を受賞した作品です。

インスタグラムがきっかけで読書会に初参加

高校生の頃から休日に図書館へ行くようになり、印象に残った本を「読書ノート」に書くようになりました。

大学生になった今では、友達と本の貸し借りをしています。

本の話をする時に「おすすめしたい本のタイトルを忘れた」、「読んだけど内容が思い出せない」と困ることがあります。

読書ノートがあれば思い出しますが、ノートを常に持ち歩いてはいません。

私はいつも持ち歩くスマホに記録しようと、インスタグラムで読書アカウントを作り、投稿するようになりました。(大学3年生の7月から)

読んだ感想を添えて投稿することで記憶が定着します。
思ったことを言葉にするのは難しいですが・・・。

また友達との会話で自分が読んだ本を紹介する際に、自分の投稿から読んだ本を振り返るのにも役立ちます。

インスタグラムではハッシュタグの繋がりを利用して、本に関する投稿を拝見しながら次に読む本の参考にしています。

私が今回参加した「本の主題歌を決める読書会BGMeeting」はインスタグラムを通して知りました。

本の主題歌を決める読書会 BGMeetingとは

月に1度東京で開催している読書会で、11月は27日(土)に秋葉原で行いました。
今回は第5回目の開催で、場所は秋葉原駅から徒歩7分のビル3階にある「BOOKS」です。

時間は受付開始が18時15分で、18時半に読書会が始まります。

私は初めての秋葉原だったので、グーグルマップを頼りに開催場所へ行きました。

「グーグルマップ的には到着しているけど、本当にここでいいのかな?」と一瞬だけ不安になりましたが、入口付近で運営者の方が「本の主題歌を決める読書会」と書いたボードを持ちながら立っていたので安心しました。

3階へ行くエレベーターは、私の他に2人で来た男性と女性の方も一緒でした。

エレベーターでの会話は、

女性の方が「私たちこの読者会に初めて参加するんです」
私「私も初めてです。私は読書会自体が初めてで少し緊張しています(笑)」

と話しながら読書会の場所へ入ったので、緊張が緩みました。

私が受付をしたのは18時20分ごろ。既に4名ほどの参加者が受付を済ませていました。

受付はまず参加費を現金で支払います。
一般は三千円で、早割は二千五百円。私は学生割引で二千円です。

開始時刻の18時半には全員が揃い、参加者は12人で男性が8名、女性が4名でした。

読書会の進め方

この読書会はバトル形式になっており、予選と決勝を行い優勝者を決めます。
(バトル形式ですが、論破するなどではありません)

予選はグループで行います。
グループは受付時には既に決められており、受付で指定された机に座ります。
12人なので、4人のグループが3つです。

予選で各グループの代表者を決め、予選を勝ち抜いた3人が決勝戦を行います。

予選での発表はひとりの持ち分が7分間。
時間内に自己紹介や選んだ曲と理由、作品の感想などを紹介します。
7分間はタイマーで計りますが、時間は他のグループと進行を合わせるためなので多少の差はOKです。

グループ内で全員の発表が終わると、代表者を決める投票を行います。
投票は受付時にチップが3枚配られます。
2枚を予選で、1枚を決勝戦の投票に使います。

予選では2枚のチップを気に入った発表者に投票します。
チップは1人に2枚でも、2人に1枚ずつでも構いません。

予選を通過した3名は、参加者全員の前で発表を行います。

決勝戦も予選と同行で選曲を紹介し、曲を選んだ理由などを話します。
3人の発表が終わると、次はいよいよ投票です。

決勝進出者は1つのテーブルの椅子に座り、目を閉じます。
その間に参加者が手持ちの1枚のチップで投票して、優勝者を決めます。

決勝戦の後はメンバーを変えて、交流会を行います。

読書会の終了時刻は20時半。
終了時刻の約10分前に交流会は終了し、最後に参加者全員で集合写真を撮りました。

読書会が終わった後は、希望者で二次会を行いました。
私も二次会へ行き、12人中9人が参加しました。

本の話だけではなく出身地や好きな食べ物、ペットの話などでも盛り上がりました。

『コンビニ人間』を読んで私が選んだ曲とその理由を紹介

私が選んだ曲はミュージカル映画『グレイテストショーマン』に挿入された『This is me』です。

この曲を選んだ理由は2つあります。
1つ目は周囲から気持ち悪がられたり否定されても「私にはコンビニ人間として生きる!」と決心した強い意志が『This is me』 のタイトルや歌詞に共通していると感じました。

結婚もせずコンビニでフリーター生活をしている主人公は、世間から冷たい目で見られます。しかし主人公が「コンビニが自分らしく輝ける唯一の場所」と確信した時、「これが私だ!」と堂々と表現し、断固たる覚悟が印象に残りました。

2つ目は曲に聴こえるドラムの音が、主人公の胸の音とマッチしているからです。
物語の主人公はコンビニの音に敏感です。

お客さんがお店に出入りするのを知らせる音やレジの音、商品を手に取る音やお客さんの足の音。

主人公にとってコンビニは自分が世界の歯車になると感じれる場です。
1度コンビニの世界から離れようと距離を取った主人公でしたが、お客として再びコンビニに訪れた時に「私の身体の中にコンビニの『声』が流れてきて、止まらないんです。私はこの声を聴くために生まれてきたんです」と自覚します。

コンビニで働く生きがいを再認識した主人公の胸の鼓動は、コンビニの音を聴くにつれ高鳴っていきます。

そのシーンで私は『this is me』のサビの前から徐々に盛り上がる時に聴こえるドラムの音が、主人公の胸の鼓動とシンクロしている気がしました。

初めて参加した読書会の感想や他の参加者の発表内容

これから読書を深めたいと思い、読書会に参加しました。

私の読書経験でついていけるか心配でしたが、実際に参加してみると読書に不正解はないとわかりました。私の意見で「リズムは考えてなかったわー」と言ってもらえたのが嬉しかったです。

また他の参加者の考えを聞くのが楽しかったです。
蓮井朱夏さんの『zoo』を選んだ人は、物語の中で人を動物で表現するのが理由だったり、坂本慎太郎さんの『まともがわからない』を選曲した人にとっては「普通とは何か?」を考えさせらる作品だからが理由など。
私の思いつかない発想で溢れていました。

「こんな考え方もあるんだ!」「このフレーズは共感できる!」などテーマ本で話が深まり、さらに『コンビニ人間』について考えさせられました。

交流会でお話した伊坂幸太郎さんファンの方に『チルドレン』をお勧めしてもらいました。
これからは読書会を通して自分の世界や、人との関りを広げていこうと思います。

初めて行く場所は緊張するし勇気がいりますが、思い切って読書会に参加して良かったです。まさか私が決勝に進出し、優勝するとは思いませんでしたが(笑)

優勝の景品で図書カードが届くので、次の本を買うのが楽しみ~。