今年の夏はアメリカのカリフォルニア州シリコンバレーにあるフェンシングクラブの合宿に参加してきました。ホームステイをしながら生活し現地の生活を体験することで、競技だけはない気づきが生まれ、これからの自分の生活を見直すきっかけになりました。

アメリカ合宿で現地の生活を体験

9月に入り、秋の香りを感じるようになりました。
長いようで短かった夏休みも終わりを告げましたね。

今回は、私の夏の思い出の一部を紹介したいと思います。

この夏の始めはアメリカのカリフォルニア州にある Silicon Valley Fencing Center というクラブのサマーキャンプに参加してきました。

日本を出発したのは6/18。合宿は6/20~6/29の10日間行いました。日本に帰ってきたのは7/1です。

年代はだいたい高校~大学生で、練習は午前・夜練の日があれば、午前・午後・夜練の日や、午前練のみの時がありました。

アメリカでの生活はクラブの方のお家にホームステイをさせていただきました。

ホストファミリーは中国系アメリカ人のお家で、アメリカだけでなく中国の文化も少し知ることができました。

私にとってこの合宿は競技面だけでなく、自身の視野を広げる機会となりました。

(案内してもらったゴールデンゲートブリッジ)

私がアメリカで感じた3つのこと

いつも海外に行く際は日本チームという団体で行動をしていますが、今回のアメリカ合宿は2人(私と大学生の選手)で行ってきました。

ホームステイ先の家族の一員として現地の生活を体験し、日本とアメリカの違いや共通点を感じてきました。

平日はみっちり練習し、休日はクラブのイベントに参加したり、観光に連れて行ってもらうなどWork hard, Play hard な合宿でした。

この合宿を通して、私が特に感じたことが3つありました。

  • 「外国人」というのは関係ない
  • 個人の考えが求められ尊重される
  • 自分が誰かにしてもらったように、今度は私が誰かにしたい

「外国人」というのは関係ない

アメリカは移民の国と言われており、クラブにもヨーロッパやアジア系の人がそれぞれいました。

今まで私は「日本人以外はみんな外国人」という意識がありましたが、合宿で10日間も一緒に練習をしていると、出身の国を関係なしに「クラブの一員」という認識が芽生え、国籍は関係なく思うようになりました。

また、海外で試合をする時は「外国人だから」という変な思いこみがありましたが、実際は出身がどこであろうと人は人であり、国籍は関係ないことに気づきました。


(練習風景)

個人の考えが求められ尊重される

私がアメリカにいてよく言われた英語は、

“It’s up to you” (あなた次第だよ)

練習でどれくらい試合数をやるのか、家でどう過ごしたいかなど自分の考えを聞かれることが多く、その答えを尊重してくれました。

そこで思い出したのが、日本では身体の違和感や痛みが出た際に、コーチにそれを告げると「今日は休みなさい」と言われて休むパターンです。

私がいたアメリカのクラブではコーチが休めと言う前に、“What do you want?”(あなたの望みは?) と聞かれます。

日本は「休みたい」と言わず、指示待ちであったり、「どうしたら良いですか?」「休んでも良いですか?」が先にきてしまう。(と私は感じている)

自分のことなのに人に判断を委ねてしまっています。
そう言いたくなる気持ちも分からなくはありませんが…。

ホストマザーにも「何かあったら直接(directly)に言ってね。中国もそうだけどアジア人の間接的(indirectly)は伝わらないよ」と言われました。

日本では曖昧な言葉や察しで会話が成立しますが、英語はそうはいきません。また、断る時は「NO」とハッキリ言わないと伝わらないことが多かったです。

(特に暑い日はホストファミリーがスイカを用意してくれました)

自分が誰かにしてもらったように、今度は私が誰かの力になりたい

この合宿においては様々な人に歓迎され、親切にしていただきました。
ホストファミリーには迷惑をかけた事もあったと思いますが、沢山サポートしてもらいました。

クラブの人にも色々と話しかけてもらい嬉しかったです。
人の温かさを感じ、さらにアメリカが好きになりました。

だからこそ、今度は私が誰かの力になりたい。
日本の文化を伝えることや、日本に来ている人が何かに困っていたら助けになりたいと思いました。

それは外国人だからとは関係なく、人に対しての想いです。

(夜練後の空がキレイでした)

言葉よりも姿勢が大事

今回は普段できない体験をさせて頂き、とても充実した時間を過ごせました。

「これはスポーツの良さだな」と思ったのは、言葉にしなくても心が通じることです。

団体戦をしている時はジェスチャーや表情で会話になり、わからない単語があってもみんなのやっていることを見るとある程度は理解できました。

そして再確認したのが、「きれいな英語を話す」よりも「話そうとする姿勢をみせる」ことのほうが大事であること。

わからないことは知ったかぶりや流したりをせず「わからない」とハッキリ言わないと会話がどんどん進んでいき、何を言われているかサッパリわからなくなるのも学びました。

合宿の中で気づいた競技のことやそれ以外のことは、これからの生活に活かしていきます。

合宿が終わり、最後にお別れのハグをした時は、感謝と寂しさが込み上げてきて、本当に素晴らしい10日間の夏を過ごせたんだと確信しました。

(どうやらTAIYAKIがブームらしいです)