日本代表で出場したフェンシング(女子フルーレ)のワールドカップ個人戦。国際大会のシーズン初めての舞台は、フランスでした。この大会に至るまでの出来事や自分との向き合い方、そして世界で戦って感じたことなど、経験して分かったことが沢山ありました。

2021年シーズン最初のフランスのW杯に参戦

皆さん、お久しぶりです。
約3か月ぶりのブログ更新になりました。

気がつけば、2021年のカレンダーは残り1枚。
自分の中で「今年の漢字は何にしようか」と思う時間が、心に響きます。

私は12月10~11日に行われた、フランスでのW杯に参戦してきました。
この大会は、国際大会のシーズン初めての大会で、約9か月振りの海外での試合となりました。

結果はまだまだこれからですが、久しぶりに自分らしいプレーが出来きたので、来年に繋がる内容になったのではないでしょうか。

【試合結果】

  • 7人組の予選プール(リーグ戦) 《4勝2敗でトーナメントに通過》
  • トーナメント1回戦 《VSフランス選手 15-13●》
  • 最終結果 → 100/182位

自分の気持ちや考え方を立て直したW杯

大会が終わって得たもは、自分がやっと「地に足がついた」と感じられたこと。

9月には全日本選手権、11月は東京都シニア選手権といった国内大会がありましたが、自分のプレーに納得できず、浮ついた感覚がありました。

フェンシングの技術うんぬんの反省をする前に、それ以前の次元にいたと思います。

私は目の前にいる相手と試合をするのではなく、自分の中に現れた不安や緊張、後先の結果という見えないものと戦っていました。

というより、逃げていたという言葉が近いかもしれません。

特に11月にあった大会は、結果もプレーも散々でした。

もう、最初の予選から緊張ガチガチで、相手が必要以上に強く見えてしまったり、試合をしながらも考えなくていいことまで頭に浮かんできたり・・・。

家に帰った後はひどく落ち込みました。

しかし、落ちるところまでトコトン落ち込んでいくと、ある瞬間に光が差し込み、ハッとさせられたのです。

「次があるのだから頑張らなきゃ。やるしかない」と。

そこから気持ちを入れ替え、今回行われたフランスのW杯に向けて進み出しました。

恐れていた緊張や不安から逃げないために

大会前に心がけていたことは、「自分の弱さや不安と向き合う」こと。

少しでも気にかかるものがあったら、ペンを握り、紙に書くようにしました。

そして、その書いたものに対して原因、仮説、対策を導き出し、自分が「これで行こう!」と納得できるまで心と頭を整理しました。

するとどうでしょう、今回の大会の予選では、過度な緊張をすることなく試合に入れました。

海外では特に、一発目の試合こそ心臓がバクバクするのに、今回は心の中が静かでした。

そして、その時に「過度な緊張は準備不足からやってくるのだ」とわかったのです。

9月の国内大会が終わった後、いつも身体を整えてくださっている先生が、「不安や焦りは試合をする前に解決させておくもの」と言っていました。

少し時間はかかりましたが、やっと先生が言っていた言葉の意味が実感できた気がします。

世界の舞台で感じた私に必要なこと

今回の大会で感じたことは、私には「戦略面の強化」が必要だということです。

いかに相手の隙を狙い、自分の隙を見せないか。

長期戦である15本のトーナメント戦は、決してまぐれで勝つことはできません。

今回のトーナメント戦では、フランス選手に15-13で敗北。
10-5と点差があるところから、後半で14-13に追いついていくも、逆転勝利をすることができませんでした。

自分の試合を後で分析してみると、戦い方次第で勝てない相手ではなかったので、もったいないです。

「あの時、相手を突いていれば」「あの時の1点を取られていなければ」と思う状況がいくつかありました。

しかし、なぜ「あの時」に点数につなげることが出来なかったというと、相手の隙を自分で見抜けなかったからだと思います。

試合中のセット間の休憩で、コーチのアドバイスを受けてから、相手の癖に気づくことができました。これからのトーナメント戦を勝ち抜いていくためには、「自分ですぐに相手の隙に気づけるようにならないと」と感じています。

そして逆に、相手の立場になって考えると、相手は私の隙を突いてきました。

自分の隙を自覚し、1度隙をやられたら、その隙をわざと活用して誘いに変えてれば、隙が隙ではなくなっていたのに。

それがまさに戦略ですね。
フェンシングは本当に奥深い。

試合は、いかに自分が持っているカードで勝負していけるか。
そのためには、自分を知り、相手のカードも知らなければいけません。

戦略が磨かれれば、勝負所がより明確になるので、試合により集注するのではないかと思います。

今年の学びを来年の飛躍に

このフランス大会で今年の試合は最後。
2021年は国内大会も開催され、久しぶりの表彰台に上がることができ、思い出深い年になりました。

応援してくださる沢山の方々に感謝です。

今年の大会や練習で学んだことを、来年に生かしていきたいと思います!

現在は帰国後の隔離期間中。
の~んびり大掃除をして、自分を見つめ直す時間にしていきます。

ブログも楽しく更新していければ(^^)