ロシア大会から帰国し、約1週間が過ぎました。今回の大会の気づきが今の練習の取り組み方を変えるヒントとなり、フェンシングを掘り下げて考えることで「私のフェンシング観」が変わり始めているのを感じています。

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フェンシングW杯ロシア大会

大会結果のご報告が遅くなりました。
2月21~22日にロシアのカザンで行われたワールドカップに参戦してきました。

今回の大会では、今まで気づかなかったことや「気づいてはいたけど気にならなかったもの」を発見しました。

私の「フェンシング観」の変化の始まり

前回のポーランド大会より参加人数が約40名ほど少ない大会でした。
(しかし、世界ランキングに関わる大会のため、いつも顔を合わせる選手に変わりはありません)

今回の大会の結果は、152人中105位。

予選プール(リーグ戦)は3勝3敗で通過したものの、予選トーナメントの1回戦で韓国の選手と戦い、15対10で敗れました。

これは私の予選プールの組み合わせです。

対戦相手は世界ランキングをもとに組まれており、試合前日の夕方にインターネットに掲示されます。

イタリアの選手以外は初対戦でした。
このイタリアの選手は私の1つ年上の選手で、ジュニア時代にトーナメント戦でよく戦っていました。今まで1度も勝てたことがありませんでしたが、今回は5対2で勝利することができました。

今回の大会を振り返ると、プレーも気持ちにも変化があり、自分のフェンシング観に新しい風が吹いていると実感しました。

私の「楽しむ」という感情の変化

前回大会は「楽しむ」気持ちがパフォーマンスに影響し、試合前は「楽しもう」と思ってやっていましたが、そもそも私はフェンシングを「楽しい」が前提でやっているのに気づきました。

また「○○しよう」と思えば思うほど、できなくなってしまうと試合中にわかりました。

「無になろう」「集中しよう」と思っているうちはできず、それを忘れてプレーをした後に「そういえばさっきは何も意識してなかったけどできてたな」と感じます。

自分が作った「練習と試合の差」を発見

そして実際に試合をしてはっきりと感じたのが「練習と試合の差」です。

練習では試合より動いている量が多いのに、試合では気を抜くと疲れがどっと来てしまったり、試合をする前では、練習で感じないほどの緊張があるなど、「前から気づいてはいたけど気にならなかったこと」が今の私にとっては、とっても大切なキーワードであると思い知らされました。

何事も新鮮な感覚で取り組む

そこで今、注意を向けているのが「何事も新鮮な感覚で取り組む」ことです。

何に関しても決して「同じ瞬間」は無く、「今」が全て新しい出来事との出会いであり、その時に「どうするか」に耳を傾けていくことを大切にしています。

試合に出てみて「私は練習慣れをしている」と気づかされました。
「練習ではもっと上手くできているのに」というのは、練習相手がいつもと変わらないので、「慣れ」で身体が勝手に動いてしまうということです。

フェンシングでも相手が違えば戦い方も違い、自分も相手もコンディションが同じことはありません。1ミリでも違えば同じではないのです。

おそらく私は「慣れ」によって相手の少しの変化を察知できていなかったのだろうと思います。

練習でも命がけで

練習も試合も1回で終わりの気持ちで挑むようになれば、1度の質が変わります。
「試合は練習のように。練習は試合のように」

少し前までは試合と練習は別だと思っていましたが、この言葉の意味がやっとわかりました。

フェンシングは本来、剣を使った命のやり取りです。
現在は競技化となり防具を着ているので安全ですが、昔は相手に突かれてしまって命を失っていたかもしれません。

練習は実験の場でありますが、最近は「これが最後」という心構えで練習をしています。
少し気を抜いただけで命を落とす。と思うと自然に質が上がってきます。

今は練習の中で「あっ、やられた」と思う瞬間はありますが(笑)
少しずつ減らしていきます。

本番は練習の如く

次の試合は3月。アメリカのグランプリ大会です。
コロナウイルスが流行っておりますが、今のところ変更なく開催する方向になっています。

練習と試合を照らし合わせている今。
「今日の自分」を日々更新し、大会に臨みます!!

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帰国する飛行機で見た景色です。
綺麗すぎて思わず写真を撮ってしまいました。