10月4日~7日まで第74回国民体育大会「いきいき茨城ゆめ国体2019」が水戸市で行われました。成年女子フルーレ種目は4日と5日に行われ、山形県が4位に入賞。前回の福井国体の8位を上回る結果になりました。また東北勢の底力で、男女共に大奮闘した茨城国体になりました。
試合を楽しむチャレンジ精神でベスト4
成年女子フルーレ種目では、私たち山形県が4位に入りました。
サーブルで上位を狙ったチームで、まさかフルーレでベスト4に入るとは、きっと多くの人が予想しなかった結果だと思います。
準々決勝での宮城県との対戦は、私たちのチャレンジ精神と結束力が勝利に繋がりました。
思い切った作戦で掴んだ試合展開
国体は3試合する中で先に2勝したチームが勝利になります。
一般的にエース選手が1番か2番目の試合で戦い、勝利を確実に取るのが安全な戦略ですが、私たち山形はあえてフルーレのエースである私を3番目にしたイレギュラーな作戦にトライしました。
対戦した宮城はフルーレ専門が2人とサーブル専門が1人のチームで、フルーレの2人は私と同じナショナルトレーニングセンターで練習している選手です。
心理戦も含めた順番決め
国体は「誰と誰が戦うか」が勝敗を左右するため、戦う順番を決めるところから試合が始まっています。
私たち山形は「相手側は私が1番か2番に出ると思っていて、フルーレ人は私を避ける作戦で勝負を狙っている」と予想しました。
私たちにとっては、専門種目(フルーレ)vs専門外種目(サーブル)の対決をすると、専門種目が勝利する確率が高いため、同じ種目同士での対決で勝負するのが、私たちに残された戦法でした。
だからこそ、相手が予想をしていない3番に私が入り、確実なフルーレ人対決を狙ったのです。
この作戦は大きな賭けで、リスクのほうが高く、最初は悩みました。
「もし私が3番で、相手が1番と2番をフルーレ人で勝負をかけたら先に2勝されて負けてしまうのではないか」「だったら私が勝利を1つ決めて3試合目まで持ち込むべきなのか」「相手は私たちのことをどう思っているのか」など。
メリットよりデメリットのほうが多かったのですが、私たちは話し合いをしていく中で、「リスクをとって私を3番目にする」と決めました。
思い切ったことをしないと勝てない私たちの状況で、私たちはその挑戦を「面白そう」と捉え、その結果、わたし達の読みが大当たりしました。
接戦の接戦の接近戦
実際に試合は1番目の試合は山形が勝ち、2試合目の試合は宮城が勝利。
チームスコア1-1で私の出番がやってきました。
先制点は私がとったものの、追いつき追い越されて4-3で負けていました。
そこで私は「ここは迷わず戦おう」と思い、相手が動き出した瞬間をねらった私の攻撃が見事に決まり4-4の同点、勝負の分かれ目です。
最後の1本勝負では、近い距離で突く「接近戦」で私の色のランプだけが審判機に点灯しました。私はチャンスを勝利に変え、みんなでベスト4に進出を勝ち取りました。
みんなで築いた団体戦
試合を振り返るとこの試合で勝てたのは、私に試合繋いでくれた仲間やベンチ、観客席から応援してくれた方々の見守りやアドバイスのお陰でした。
「頑張れ」「できるよ」と試合に送り出してもらい、良い雰囲気に包まれながら、試合中に思いついたアイディアを躊躇なく実行することができました。
目の前の相手とはピリピリした空気が流れつつ、後ろを振り返るとベンチからの頼もしい声援や、観客席から包まれる温かみのあるパワーを感じる試合は、表現する言葉が見つからないほどたまりません。
チーム東北で大健闘
準決勝では和歌山に2-1で負けました。
3位決定戦では秋田に2-1で敗れ、山形は4位でフィニッシュ。
予選でも秋田と対戦し「国体のはずなのに東北大会みたいだね」と話していました。
今回のフルーレでは東北勢が活躍しました。
女子は秋田・山形・宮城で、男子は秋田・宮城・岩手が入賞。
写真は毎回恒例になりつつある入賞した東北での集合写真。
男子は秋田が2年連続の優勝を果たしました。
国体は自分の県だけでなく「チーム東北」として戦えるのも1つの楽しみです。