9月7日は「World Fencing Day」という世界的にフェンシングをお祝いする日で、今年は国際フェンシング連盟が“Fencing For Our Planet”(私達の惑星のためのフェンシング)をテーマにしています。今回は東京五輪に向けてやその先について、フェンシングでSGDsに何が貢献できるのだろと考える機会になりました。

フェンシングができる社会や未来への貢献

日本では9月7日に「World Fencing Day Japan」が東京で開催され、選手やコーチ、協会やサポンサーの方々など日本フェンシングに関わる人が集まり「フェンシングの未来のために、今、私たちがやるべきこと」について考えました。

今までは「自分がフェンシングをすること」を考え、フェンシングの未来や社会との繋がりをあまり考えたことはありませんでした。来年から私が社会人アスリートして活動すると思うと、「フェンシングを通して社会に貢献すのはどういうことなのか」に興味を持って参加しました。

今回は東京2020に関わる人たちの対談や柔道家の野村忠宏さんと競輪の新田祐大選手のお話を聞き、普段は会うことができない貴重な機会でした。
柔道の野村さんには世界のトップに立つ意識や準備、覚悟を教えて頂いたり、太田雄貴会長からは日本フェンシング協会の掲げている理念やキャッチフレーズである「突け、心を」の再確認ができました。

フェンシングでSDGsに何ができるのか

ランチタイムにはグループワークが行われ、今回は「フェンシングを通じてSDGsに貢献しよう!」がテーマでした。

SDGsとは

SDGsとはSustainable Development Goalの略でエスディージーズと呼びます。
これは持続可能な開発目標という意味で、2015年9月の国連サミットで際択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」にて記載された2016年から2030年までの国際目標です。

地球上の誰一人として取り残さない(leave no one behind)を誓約し、17の目標と169のターゲットから構成され、途上国の支援だけではなく、民間セクターの貢献の意味も含まれている普遍的な指針です。

17の目標は貧困・飢餓・保健・教育・ジェンダー・水や衛生・エレルギー・経済成長と雇用・インフラ、産業、イノベーション・不平等・持続可能な都市・持続可能な消費と生産・気候変動・海洋資源・陸上資源・平和・実施手段です。

話し合いのグループは選手とフェンシングをしたことがない人のミックスで、選手が競技を通して感じていることから話を広げていきました。

教育から広がる考えの視点

私たちは「フェンシングを通して教育が出発点になり、それが持続可能な消費と生産・保健・貧困の貢献に広がり、平和に繋がる」という意見です。

フェンシングは人や物の敬意を払うスポーツで、試合前には礼を対戦相手や審判だけでなく応援してくれる観客にも行うことを教わります。(試合後は握手です)

また試合中にイラっとして剣を床に叩きつけたり足で道具を蹴るといった物を雑に扱うのは禁止です。

私たちはフェンシングをする中で人や物に敬意を払うように心がけていますが、もう1つ人や物に関心を寄せることで教育だけではないSGDsへの貢献ができると考えました。

例えば「剣」
フェンシングの剣は使い込むと折れる消耗品となっております。私たちはこの折れ剣をもえないゴミに捨てていますが、捨てた後どうなっているのかを知りません。
折れた剣を再利用できないか、剣はどこで作られているのか、作り手の想いは、発展途上国で道具を作ってみてはどうか(服や鞄のブランドがあるように)、、、、など。

フェンシングから考えさせられることは多くあります。

それらを学んで伝えることが今後のフェンシングの普及になり、「フェンシングって西洋の文化だけでなく環境のことも考えるきっかけをくれるんだ!」と知ってもらい、競技をしたことがない人ともこれから一緒に考えていければいいなと思います。

またフェンシングはマスターズの年齢カテゴリーもあるため、長く続けれる生涯スポーツです。体育の授業に導入でも入れてみたり、選手が地元に帰った時に教えるなどの普及活動が人々の健康な生活や福祉の促進にも繋がります。

他のグループの発表を聞いていると、試合や練習で踏む床を発電に生かせないかという意見や1回の突きで1本のペンを発展途上国へ届けるという考えがあり、SGDsに貢献できる可能性は広がっていきそうです。

フェンシングで世界をもっとよりよく!

「World Fencing Day Japan」でフェンシングは様々分野と掛け合わせることが出来ると知り、当事者意識を持ちながら少しずつでも知識をつけ、考え、実行していかなけばいけないと思いました。
SDGsは言葉だけは知っていましたが深入りしたことはなかったので、これを機に新聞や記事などでチェックしていきます。

今回は自分の取り巻く環境をひとつ知れた日。

Happy Fencing Day!!
(写真は大学2年の留学先で出会ったクラブのみんなと)